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殺シテヤル

第4章 悪戯

ドクン―――

メールを見た瞬間、かのんの心臓が跳ねた。
たった一文のメール。
そのたった一文が目についたまま離れない。

(何を…言ってるの?)

オナニーをしろというメール。
したこともなければ、
やり方もかのんには分からない。
知っていたからと言って、素直に従えるはずもなく。

メールを見詰めたまま、
動けなくなっていると、
かのんのピンクの携帯が鳴り始めた。

ビクッと躰を震わせ我に返ったかのんは、自分の携帯を手に取った。
電話着信。
ディスプレイには、雪菜の名前。

『もしもし?かのん?』

「雪…菜…」

『もー夕べどうしてたのよー!!
全然携帯繋がらなかったじゃん!!』

いつも通りの声。
安心したのか、涙が出そうになる。

「ごめん…貧血で倒れちゃって…」

正直に話せるはずもなく、
かのんは嘘をついた。

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