テキストサイズ

殺シテヤル

第4章 悪戯

「わ、私たちまだ高校生だよ!?合コンなんて…そんな…」

『相変わらずかのんは初ね~(笑)』

電話の向こうで、雪菜が笑う。

『あんまり気負わなくて大丈夫よ。女の幹事がモテたいがための数あわせみたいなもんよ、あたしらは。』

どうやら、合コンの男性メンバーは社会人らしく、何としても彼氏を手に入れたい女側の幹事が、
さすがに高校生には手を出さないだろうという考えで呼んだらしい。

『お姉ちゃんがそう言ってたのよね。ま、いやならこなくていーよ、ってさ。どうする?』

雪菜には可愛い姉がいる。
大人っぽい雪菜とは反対の、
幼く見える可愛い系だ。

「瑠菜さんがいるなら行こう…かな?」

『何でよ(笑)』

「守ってくれそうだから(笑)」

その幼い容姿とは対称的な姉御肌。
雪菜の姉、瑠菜は歯に衣着せぬ物言いで、これまで数多くの男を振ってきた。
彼女が合コンに行く理由は簡単。

タダで飲み食いできるから。

瑠菜の友達である女幹事は、
男が払って当たり前と思っている。
むろん、合コンでも同じ。
だからこそ、彼氏ができないんじゃないか、と周りは思うが、
彼女がいれば合コンの飲食代は必要ないので、何も言わない。

結局、雪菜と来週の日曜、合コンに行く約束をして、かのんは電話を切った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ