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第10章 フィクサー

「このお店の近くの
゛マルジェラ ゛を買い取ったの。」

志帆は勝ち誇った顔をしていた。

゛マルジェラ ゛
銀座で1番の人気会員制高級クラブ。
そこのママは引退するという噂が立っていたが、高額すぎて買い手がつかなかった。

最低でも二億は必要だ。


「志帆ちゃん、凄い買い物したわね!
精進なさい、応援しているわ。きちんと開店すると良いわね。」

そう言って、更にママは余裕綽々の笑みを浮かべた。

「ママ、覚悟しておいてね、オープンパーティーの招待状置いとくわっ!」

バンっ!と怒った感じで招待状を置いた。

「精々精進なさい。
銀座の掟を知らないようね。」

ママが笑いながら志帆に言うと
凄い勢いで出て行った。

志帆だけでは絶対に無理がある。
一体誰か付いているに違いない。

一体誰が…?

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