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甘いキスを永遠に

第32章 夢中

元哉は自転車で来ていた。


私は元哉の腰に手を回し、温かい背中にしがみついた。


顔にあたる風が冷たくピンと空気が張っていた。


鼻先がひんやりした。


「元哉、帰ったら一緒にお風呂入ろうね」


「もちろん!」


過去がどんな元哉でも構わない。


元哉は今私に夢中なのは間違いないのだ。


元哉が歌い出した。


「麻実ちゃん♪…麻実ちゃん♪…可愛い麻実ちゃん♪…」


ふざけた歌を聞きながら、街のクリスマスイルミネーションを眺めていた。



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