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甘いキスを永遠に

第75章 震える心

私は甘味の葛きりを頼み、お茶を啜った。


「来週、予約そのままでいいかしら?」


「ああ、お願いするよ。岩崎さんの事もっと知りたいよ」


冷めたお茶をゴクリと夏木さんは飲んだ。


「…あの、私…」


「分かってるよ。君は人妻だって事…」


静かな沈黙になった。


夏の終わりを告げる蜩が鳴いていた。

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