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ふたりのカタチ

第10章 優しい声

埋めた首筋からする甘い香りと煙草の香りが
鼻をくすぐる

どこに置いていいかわからないでいた左手は
自然にあやねえの肩に回された

頭を撫でると
ため息のような声で
かずちゃん……と呟く

その声にオレの理性はどこかにいってしまいそうになる

精一杯の平常心で
なぁに?と言って
もう一度優しく頭を撫でる

「かずちゃん…私……も…」
「うん?…私も…なぁに?」
「…………好き……」
「うん……ありがとう……」

首筋に当てていた頬から
あやねえが熱くなっているのがわかった

やっと言ってくれた…
大好きだよ…彩乃サン…

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