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歪みの世界

第3章 異世界

「忙しいどうかは、定かではないですー」
「それって、どういう事?」
「彼は、他国の人なんですー。彼以外だったら、太子の前で話しても何でもないんですけどねー」
アーサーさんとジーン太子と言った方が良いのかな。は、知り合いなのだろうか。
「知り合い?」
「はいー。太子と彼は腐れ縁なのです―」
「だから、さっき聞いちゃ駄目なのか?」
苦笑しながら、ポプリ頷く。
「まぁ、太子の方が一方的に彼を嫌っているから、話が耳に入る事を出来るだけ避けたいのです―。嫌っている理由は定かではないですー」
「じゃあ、俺が此処に連れられた理由は?」
あっ、目が反らされた。
「怒らないですかー?」
俺が怒る様な理由なのだろうか。
まぁ、怒るか怒らないかは内容によるけどね。
「怒らないから、話してみてよ」
「僕が、トーマ君の事を気に入ったからですー」
「へっ…それだけ?」
「はい」
何とも言えなかった。
色々と考えてみた。
もしかしたら、俺は勇者で魔王を退治する為に呼ばれたのかと。
他に、囚われたお姫様を助けて逆玉とか。

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