テキストサイズ

歪みの世界

第3章 異世界

「……?」
俺は首を傾げながら、嫌みな青年が出ていったドアを見つめた。
「彼は、君が気になるからですよ。此の世界では、君の様な顔は美少年ですから」
「いやいや、可笑しいだろ。美少年を履き違えてるよ」
「そんな事無いですよー」
ポプリからは、お世辞で言っている様子は見えない。
「俺から見たら、ポプリやさっきまで居たアイツの方がカッコいいよ」
溜め息を吐きながら俺は呟いていた。
「うわぁ、ありがとうございます―」
「ねぇ、今なら話してくれても良いんじゃないかな」
「んー…、そうですねー。分かりましたー」
多分、嫌みな青年が居たから言えなかったのだろう。
「あのさ、さっきまで居たアイツって何て言うのかな?」
「ジーン・バリエル。此の国の王子様ですよー」
王子様。人は見かけで判断しては駄目だよな。
「アーサーさんには会えるかな?」
「それは難しいですねー」
「何で?アーサーさんは忙しい人だから?」
だとしたら、俺の居た世界には居ないだろう。それにしても、俺アーサーさんの事ニートだと思っていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ