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murder─殺戮編─

第2章 裁きの処刑場へようこそ




(……拉致っつっても、何でこんなに沢山拐う必要があるんだ)


分からない事だらけだが、今は兎に角視界が悪い。
この程度の明かりじゃ何も把握出来ないと思い、悠斗はスイッチを探る。
建物ならちゃんとした電気が付いている筈だ。

男の喚き、怒鳴る声。
女の怯えて、泣き叫ぶ声。

辺りは騒然としている。

感覚的に半分程歩いた時、いきなりバンッと大きな音と共に視界が白くなった。
誰もが悲鳴を上げる。

眩しい。
クラリと目眩がして、悠斗は目元を掌で被う。


「さぁて、ギャアギャア喚くのは其処までだ。静かにしろ、愚かで哀れなSinner共」


明るみの中響く、美声と言っても過言では無い男の声。
けれどその音は冷淡で、底冷えがする様な何かを滲ませていた。

一重に言うなら、残虐性を強く含んでいる。

そんな感じだ。


「……シナー…?罪人、?」


悠斗は目を細ませ、声の主を懸命に探す。
徐々に目が光に慣れてきて、部屋一面を視認出来るようになった。

何も無い部屋。
ダンスホールを思わせる広い空間に、座り込んでいる同年代の子供達。

正面に数段高く作られているステージの様な場所。
その中央。
豪華な椅子に超然と座っている男が、声の主だろうか。


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