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君の笑顔

第16章 登山スタート ~片野 和泉~

「ああ、お前人のもん盗むなっての。」


そう言ってスケは私の膝にあったコートを取る。



「別に盗んでなっ…」


あれ?
なんでここにスケのコートあんの?



……もしかして、寝てる間にかけてくれたの……?


でも、なんで…?



「何固まってんだよ、出ろっての。」


スケが私に催促する。



……そんな訳ないか、


こんな寝顔がやばいとか、巨体だとか言うやつが、そんな優しいこと……


――――「気持ち悪いんだろ?無理すんなよ。リベンジはまたでいいから。」


またさっきのスケの言葉を思い出す。



優しいのか、優しくないのか……何なんだこいつは……

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