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先生。

第2章 ○ 白い朝

そういえば、昨日は拓が泊まりにきてくれたんだったけ…。

まだ夢と現実の間をうろうろする意識を、なんとか現実に引き戻しながら、ゆっくり状況を思い出していく。





普段一人暮らしをしていると、こういうときにうっかりしてしまうから、気をつけないと。





「風邪でもひいたらどうしてくれんの。」


低血圧な彼の朝は、声がいつもより低い。

腕枕していない右手を自分の額にあて、むにゃむにゃと寝ぼけた様子でわたしのごめんに返事をする。




一見すると不機嫌そうな顔。
でも、本当は少しも怒ってはいないのだと、付き合って四年たつ今だから分かる。




「ごめんてばー。」




仕事で疲れ果てていたわたしのために、昨日からわざわざ来てくれた彼氏の拓。
拓だって疲れてたはずなのに、ずっとぎゅってしてくれてた。



そんな優しさを思い出し、顔がふにゃっと緩むのを抑えつつ、乱れた布団を直そうとした。

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