
あの日の約束
第1章 -想い-
ノートを見せるようになってから
太一と話す時間も増えていった。
その日はあいにくの雨だった。
サッカー部は中練だった。
サッカー部の中練のメニューは
基本的に、走りと筋トレだ。
季節は夏の終わり頃で
体操着でもいられる暖かさだったが
雨のせいか少し肌寒かった。
すると太一が
「少し寒いだろ。これ着てろ!」
とジャージを貸してくれた。
うちは嬉しかったよ?
心配してくれたんだよね?
あの時素直に"ありがと!"
と、一言伝えておくべきだったね。
それなのにうちは
「まぁ、寒くないけど着ててあげるよ」
何て言ってさ、バカだな。
