テキストサイズ

適当詩

第9章 9

「欠片におもうこと」

子供の季節を想って

カレンダーを眺めていたら
どうやら

手の平についた

兄弟げんかの

古傷が

消えかかっていたので

試しに引っ掻いてみる


あの頃は

漫画のように

いつまでも

当たり前に

子供の季節は続いて

たまには大人に

憧れていたのだけれど

気が付つけば

とうに

大人と呼ばれて

戻れない日々


想い出は

切り刻まれて

頭の中に

散らばっているけど

泣きたくなるほど

楽しい欠片は

今も光っているから


大切な人達が

くれた欠片は

今も消えずにあるから


お前と

一緒にいられる時間は

とても短いけど


きっとお前なら


いつか

お前が

大人と呼ばれるようになって

そして

くじけそうなときには

転んでも

泣かずに

立ち上がったときのことを

思い出して欲しい


立ち上がって笑うだけで

いいんだから

きっと

どうにかなるから

みんな

誰が何を言おうと

誰かの子供なんだから

立ち上がって

笑うだけで

それで

大丈夫だから



古傷は

消えもせず

深くもならず

手の平に残っている



終わり。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ