
彼・彼女の言い分
第8章 理想の理由
わ…わわわわ…
もっと…
だなんて…水上に…
言ったことないのに
クチュ……チュッ…
『残酷…誰と重ねてるんですか?』
唇が…
離れ…水上の…悲しげな
顔が…目の前に…
俺…最低…
水上を…
傷つけた……
「あ…ゴメン…」
抱きしめていた…腕も…
スッ…と…解かれた…
温もりが…離れて…
いっきに罪悪感が…
込み上げてきた
俺は…
離れていく
水上の
腕を掴んだ……
「ごめん…この間…
フラワーショップで…
水上にそっくりな…男の人を…見て…
水上が…男だったら…って思ってたから…
めちゃくちゃ…理想の人で…
その人と…重ねて…
今…キス…した…」
俺は…俯いたまま…
水上に讒言した…
水上を…傷つけた…
悲しい顔をさせた…
そんな…自分が…
いやだった…
