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KISSからはじめよう

第3章 智、モヤモヤする

家に帰って久しぶりにひとりビールを
楽しもうと冷蔵庫を開けた

缶を手にとり冷えたビールを飲むと
自然と彼女の顔が浮かぶ

この時間なら帰っているだろうか
この前の服…可愛かったな…
いつもスーツだったからか
スカートが新鮮だったな…

携帯電話を握りしばらく固まっていると
突然携帯が鳴り、驚いてしまった

「こんばんはー」
「お、おう…こんばんは」
「大野さん…寝てました!?」
「いや…起きてたよ」
「あの…実は…」

おれは彼女の話も聞かず、今電話しようと思ってたことを告げた
「ホントですか!!」
「あ、うん。バタバタしてて…連絡できなかったよ…ごめんね」

ちょっとだけの嘘……

「いえ、いいんです…実は…」
「ん?」
「あの…その…また会いたいって…思ってしまって…こんなこと考えてしまっていいのか…会いたいなんて言っていいのか…もうわかんなくて…」
「うん…」
「本人に言うのって…変ですけど…ね…」

彼女も会いたいって思ってくれていたんだ
胸が躍った…

「ダメならそう言ってください…」
「全然ダメじゃないよ」
「……よかった…うれしいです…」

さっきまでの緊張したような声が
あからさまにほっとした声に変わっていた

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