ヤクザの孫でも純粋です。
第2章 #1
朝、目が覚め体を起こして、ベッドから
立ち上がる。
春らしく薄いピンク色のシフォンワンピに
着替え、青いデニムのレギンス履いて
扉の近くに置いていたキャリーケースを
持ち部屋を出る。
リビングへと向かうとお母さんが
準備を終え片付けをしていた。
「お父さんは?」
「駅まで送ってあげる
って言って今準備をしてるわ
お父さんが来たら
出発するから」
「わかった」
暫く経つと、お父さんが来て、
家を出る。
お父さんとお母さんが荷物を車に
運んでいる姿を見て、産まれて15年、
お世話になった家を見上げ、
心の中で、
―ありがとう
と呟き車に乗り込む。
車に乗り込むお父さんとお母さん。
車を走らせ駅へと向かう。
車内はラジオが喋っているだけ。