ヤクザの孫でも純粋です。
第4章 #3
~♪
携帯の音楽で目が覚めた私。
今、何時だ…?
音楽が鳴りやんでいる携帯を見ると
私を驚いた。
―11時35分
やばい。完全に遅れる。
私は急いでベッドから降りて、
キャリーケースから服を取り出す。
白いワンピースにデニムのジャッケットに腕を
通す。アイロンで髪をストレートにする暇もなく
一番嫌いなクセっ毛が跳ねたまま
部屋を出る。
玄関に向かうと憂希さんが居た。
「結女ちゃん。おはよう」
「憂希さんッ!おはよッ!
行ってきますッ!」
「気を付けてなー」
私はミュールを履いて、玄関を走って
飛び出す。
昨日の桜が沢山咲いている場所まで
走っていく。
携帯を開いてディスプレイを見る。
―11時45分
ぎりぎり間に合う。
急な坂道を目の前にして足を止める。
<新着メール 1件>
開くと、お父さんからだ。
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From お父さん
Sub Re:
本文
荷物を送っておいたからな
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ただ、これだけ。
お父さんらしい。
携帯を閉じて坂道を登る。