ヤクザの孫でも純粋です。
第6章 #5
高校に慣れてきて早一週間は経つ。
「あ、網島さんッ!」
皆がお腹を空かせてお弁当の時間に
私の横に立って私の名前を呼ぶ。
「はい?どちら様?」
「隣のクラスの笹木 俊平言います」
私が返事をして見上げる。
―笹木 俊平(ササキ シュンペイ)
確かバスケ部だったけ?
でも泉と葵同様、笹木 俊平も
女子には多大な人気がある。
「今度の土曜日、遊びに…「だめや」」
俊平の声を掻き消すかのようなドスの
訊いた声。
俊平は振り返って見る、勿論相手は
「泉…。」
「朝、比奈…。」
泉の手には私と葵と蘭が頼んだ缶ジュース
が4本。
「お務めごくろーさん」
陽気な声で葵が立ち上がり、ジュースを
持ち私と蘭に配る。
「笹木、言うたな?結女は俺の女や」