ヤクザの孫でも純粋です。
第7章 #6
「裕太先生、女の私じゃ
満足しないでしょ?
ふざけないでください」
「ばれた?」
裕太先生はホモです。
恋人はこの学校に居るって
聞いたけど、相手の名前は知らない。
「私、真剣に悩んでるんですから」
「何に?」
裕太先生はファイルを開いて横目で私を
見るとファイルに目線を移す。
「好きな人とエッチして、
好きな人と恋人同士になったのは
いいんです。」
「順調な恋じゃん」
「でも、恥ずかしすぎて顔が
会わせづらくて避けてるんです」
「それは誰にでもある事。」
裕太先生は自分の愛用している、
黒いマグカップに口を付け珈琲を飲み、
マグカップを置く。
「好きな人とエッチしたら
誰だって恥ずかしいもんだ。
それに、これ以上避け続けたら
余計に話しかけづらくなるぞ?
お、ほら鳴ったぞ。授業受けてこい」
「裕太先生、ありがと
また来るね」
私は裕太先生の言葉を胸に入れて
保健室を出る。