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腕の中で

第2章 2


卒業まであと10日ある
と思っていたのに
気付けばもう明日が卒業式になっていた。



いつものように授業を受け、
いつものように家へ帰る。


なんだか物足りない。


そう思っていたあの時の夏も
もう今はいない。


「いよいよ明日。」


鉄平と面と向かって話すと思うと
ドキドキする。


夏はお風呂の中で話したい事を考えた。




そして部屋に行き、
そっと携帯を開き、文字を打った。



『明日、卒業式の後資料室で待ってます。』




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