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腕の中で

第2章 2



返信はない。

それも夏には分かっていた。

しかし鉄平は優しい。


資料室に来てくれると信じて
夏は眠りについた。



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-わかーれめーいざーさらーばー-


仰げば尊しを歌い終わり、
式は順調に進んでいった。



スーツの鉄平を久しぶりに見た。
髪もしっかり決めている。


夏は鉄平から目が話せなかった。


式が終わりを迎え、卒業生が退場する。



結局鉄平に話す事、考えてなかったな。

そう思いながらも資料室へ行く。
鉄平はまだいない。


全てが懐かしかった。



ホコリをかぶった本棚。
それに机。
机は案外綺麗だった。



-ガチャ-


鉄平が来た。





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