腕の中で
第3章 3
鉄平を笑顔で送って家事をする。
洗濯機を見ながら昨夜のことを考える。
宛先にはしっかりと 莉子 の二文字。
莉子なんて周りに沢山居るよね?
ポジティブに行きましょう。
‐ピンポーン‐
誰か来た。
「はーい!」
「あ、夏~久々!」
莉子だ。
タイミング良すぎ。
てかキャバみたいな格好。
「莉子、上がって!」
「おじゃましまーす!」
「ねえ、聞きたいことがあるんだけど。」
「えー?まだ来たばっかりなのに〜?」
こんなねちっこい話し方だったっけ?
「鉄平とどういう関係?」
「関係って!一回寝ただけの関係!」
夏は落胆した。
やっぱり莉子だったんだ。