腕の中で
第3章 3
「私さ〜、夏にはずっと言えなかったんだけどぉ、先生のこと好きだったんだよねぇ。」
怒りに任せて握った手に力が入る。
「なんで今更?」
「この間さぁ、先生に偶然会ったの〜そしたら浮かない顔しててぇ、どうしたのって聞いたらぁ夏と上手くいってない、最近Hもしてないって言っててぇ、チャンスだって思ったわけぇ。」
「……ごめん、帰って。」
「なんでぇ、私達親友じゃーん!」
「帰ってよ!あんたの顔なんか一生見たくない!」
「夏、あんた変わったね」
莉子が出て行って部屋が静かになった。