テキストサイズ

腕の中で

第1章 1


そういえば-

あれはちょうど春になる前、
鉄平が担任じゃなかった時。

私はその日いつにも増して調子が悪かった。

しかし誰にも言わずに授業を受けていた




はずだった。





いつもどおり鉄平の授業が始まった。

「佐藤さん、保健室に行ってください、顔色が悪いですよ!」


気付かれたのだ。

本当に凄い洞察力だ。


授業が終わったあとも
すぐに保健室に来てくれた。


絶対あの口うるさい先生なら
気付いてくれなかった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ