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Forevar thing

第3章 シオンの花

トロイはずっとプールを見つめていた。
エルとの思い出が蘇る。エルとの出会いは、プールだった。中学1年の、夏。
「おい、トロイ!うちでプールパーティーするんだ。来ないか?」
親友のジョシュに誘われ、トロイはプールパーティーに来ていた。ジョシュと2人で喋っていると、招待された、女子のグループが到着した。トロイはあることに気付いた。
「お前、美人しか呼んでないだろ」
トロイが言うと、ジョシュは真剣な顔をした。
「俺、彼女を作るためにこのパーティーを開いたんだ。
だから美人しか呼んでない」
期末テストの前でさえ勉強しないジョシュが、真剣な顔をした、ということは『彼女がいないとヤバイのかも』
しれない。
トロイは女子グループの1人1人の顔を見た。
しかし、気になる子はいなかった。
ーその時。1人の女の子が、遅れて1人で到着した。ブロンドに青い目。色白な顔、抜群のスタイル。
その子は、友達を探しているのか、周りをグルリと見ていた。トロイは、その子をずっと見ていた。
……そして、その子をガン見していたトロイは、女の子と目が合う。そこから女の子は、ずっとトロイを見ていた。
身体中に電流が流れたかのような感覚だった。
最初こそ、お互いに知らないフリをしていたものの、お互いにチラチラ見ていたせいで、何回も目が合った。
「エル、何でさっきからあっちばかり見てるの?」
例の子の友達が言った。例の子は、赤くなって否定する。
「そんなことないわ。知ってる人がいたような気がしたの」
トロイは感じていた。やっとソウルメイトと巡り会えた、と。
そこから1時間近く、2人はお互いを何度もチラチラ見ていた。
すると、例の子の友達は言った。
「あたし、用事あるから先帰るね。エル、あなた恋してるんじゃない?トロイ・ハドソンに。気付いてたわ。
応援するわよ!頑張って」
それを聞いた例の子も、否定はしなかった。そして、例の子の友達は帰って行った。

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