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例の子は、1人で料理を食べたり、踊ったりしていた。
それが1時間くらい、ずっと続いていた。しばらくすると、踊り疲れたのか例の子はトロイの近くの席に座った。座った途端、トロイのクラスメートの、マイクが例の子に話しかけた。例の子は、ニコニコしているものの、視線はトロイに訴えていた。
“助けて！”
トロイは迷わず行動した。
「やあ、マイク。ジェシカは君の彼女だろ？
さっきココを睨んでたぞ。大丈夫なのか」
トロイが言うと、マイクはギクッとして周りを見渡した。トロイの言ったことは、ウソではない。
ホントのことだ。
マイクはジェシカを見つけたらしく、投げキッスを送っていた。しかし、プールの向こう側のジェシカは腕を組み、しかめっ面をしている。
不意にトロイが例の子を見ると、例の子は手招きをし、そっと木の影に移動した。
トロイもその後に続く。
木の影まで後少し……。
そんな時、トロイの周りを女子グループ全員が取り囲んだ。
「キャーッ！トロイ・ハドソンだわ！サッカーが学校1上手いのよね？サッカーの王子さまよっ」
明るい栗毛の美人が叫んだ。
それにつられ、女子グループ以外の美人たちも何事かと集まって来る。