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初恋

第2章 wall

詩音 side




苺と別れた後、私は家にはいり、
見たくもない革靴をみて
ため息を吐きながらリビングへ向かった。






リビングの扉を開けたらいつもどおりの光景。




「おい。学校はとっくに終わってる時間なんじゃないのか?」



ソファーにくつろいでる奴が言う。




「友達とちょっと遊んでたの。」




「お兄ちゃんを放ったらかしにして、お前は楽しんでいたのか?」



そう。こいつは私の兄。





「別にそんなつもりわ...」




バンッ!!




兄はいきなり机を蹴り出した。



「俺に口答えか?あぁ?
俺は怒ってるんだぞ?すぐにごめんなさいだろ。」




「ごめん・・・なさ・・い。」




「分かればよろしい。」





私は自分の部屋に戻った。





今日の兄はまだ機嫌がよかった。

機嫌が悪いときは私を叩くし蹴る。


時には首を締められたり、浴槽で沈められたりする。


でも、私は兄には反抗しない。


しないというか、できないのだ。




兄は私を恨んでいるから。


殺したいって思うくらい憎んでいるから。






だって、私は
















親を殺したから。












兄は母がとても大好きだった。



私は大っ嫌いだったけど。



嫌でも親子だから顔は似るもの。


生まれ変わりってほど私は母に似ていた。





兄な私を、恨んで憎んでそして、









私を愛すの。








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