とある隠れ変態の物語
第3章 容赦のない弟は拾われました。
『それで、どれ位綺麗?』
『千春さん位』
『ええそれやばいな!!』
千春さん(男)、とは夜の街で大活躍している隼人さんの恋人(男)である。
隼人さんも綺麗だけど、 彼の綺麗さとは部類が違う。
淡々としゃべる侑里は相変わらず何を考えてるのかよくわからないけど、とにかくそ の綺麗なお兄ちゃんが本当にお世辞でなく綺麗なのだという事はよく分かった。
まぁ侑里はお世辞なんて言うタイプじゃないけど。
『千春さんの背が少し小さくなって、口調が優しくなったら尚輝お兄ちゃんになる。後、多分だけど自分が綺麗って分かってない』
『よっしゃきた!!明日はオレも泊まっちゃおうかな』
『侑斗にぃは尚輝お兄ちゃん襲おうとするから駄目 』
『えー何でぇ!!!!せっかくの休日、楽しく過ごしたいだろ』
『侑斗にぃの楽しくは体の関係に発展するから駄目 。そろそろ切るよ』
『えー何でぇ』
『オレ今裸』
『えっ?!何で!!!!』
『風呂』
『えっ?!!!………………あぁ、風呂ね』
『変な事想像したでしょ』
『えええ別に?ベットでハグされながら携帯中とか 、考えてないし?』
『全部言ってる。じゃあね』
『待て待て待
ぶちっ
見事にブツ切りを弟にされて地味に落ち込む。
あいつは容赦なさすぎだ……。
両親は今海外出張中で家には侑里とオレしかいない 。
二人きりでも寂しいのに、一人はもう孤独としか言い表せない。
それだけに、明日がやけに楽しみだと感じた。