とある隠れ変態の物語
第8章 エンジェルが心配です
ドキドキの道のりを突破して何とか保健室にたどり着く。
「お、真田……と、舞亜か。重症だな……」
まぁ座れよと促されて羽恋を姫抱きしたまま腰を下ろす。
白衣の天使こと、楠木 志摩は熱にしてやられてほやほやしている羽恋のもとへ体温計を持ってきて。
何故かオレに渡した。
「…………」
「何だよその顔は。お前の彼女だろ?面倒見てやれよ」
「いや違いますから」
「あ、彼氏か。まぁそれはいいだろ?ほれほれ、さっさと計ってやれ」
いやそういう違うじゃないんだけど……って言おうとしてやめた。
志摩先生は確実に理解した上でこういうこと言ってるってよく分かってるし、実際羽恋が恋人だったら嬉しいし……なんてね。