とある隠れ変態の物語
第4章 お昼寝は子猫に囲まれて
ピンポーン、とチャイムが真田家に鳴り響く。現在は十一時。 時間帯的に考えて、侑里くんのお兄さんが迎えに来たのだろう。
さて、どんな素敵なお兄さんなのか、いざ行かん!!
「はい」
返事をしてがちゃりとドアを開けると、 そこには長身で美人でやわらかな金髪のお兄さんらしき人。
「侑里くんのお兄さん、ですか?」
「そう。始めまして、侑斗です。尚輝お 兄ちゃんって、君?」
「おにいちゃ……はい、そうです」
そうか、侑里くんはお兄さんへの電話で もそう呼んでたんだね……。
それにしても、この人が。……本当に すってきなお兄さん、だなぁ……。この人が凄いえっちって、何だか分かる 気がする。
何でって?だってこの人さっきからフェロモン垂れ流しだよ!! いや、変態とフェロモン関係ないけどさ。
昨日引き続き、外は絶好調に雨。台風は 過ぎ去ったみたいだけど……。
そのせいで髪や服に少し水分が含まれて いて、長いまつげにも、綺麗な色をした唇にも、いつも以上の色香が漂っている のであろう、きっと。
そんな事をぽっとしながら考えている と、突如妖艶な笑みを浮かべる侑斗さ ん。
びくりと心臓が跳ねる。