とある隠れ変態の物語
第4章 お昼寝は子猫に囲まれて
「少しだけ、ですよ?」
したくない訳じゃないから。
少しだけ、少しだけなら……。
分かってる、と妖艶に微笑む侑斗さんは、果たして本当に分かっているのか心配だけど。
理性を保てるか自分も心配だけど。
もう後戻りはきかないのもまた現実。
揺れる瞳も、濡れた唇も完全に準備万端。
それにこの状況でちゅーを躊躇するような、遠慮するような性格じゃないからね?
そんなの、オレじゃないよ。
侑斗さんの頭に右腕をまわして引き寄せる。ゆっくりと距離を縮めて。
ちゅ、と触れる程度のキス。
「フレンチじゃやだ」
「誰もディープなんて言ってないじゃないですか」
「ディープがいい。ちゃんと舌突っ込んで」
あまりに子供じみた拗ね方をする様子なんか、ものすごく可愛くて。
これはやっぱり体力つけてからだよね。
でも。
今も、もう少し。