とある隠れ変態の物語
第8章 エンジェルが心配です
オレは羽恋のことを構いたくて構いたくて仕方ないのに!!
いや、体調悪いエンジェルに向けた言葉じゃ無いよね失礼しました。
このアホのようにだだっ広い学園の保健室は隣の校舎の一階。
無機質だけれど綺麗に掃除の行き届いた渡り廊下。
普段は何も思わないけど、今日はなんだかどきどきしながらの道のりだったり。
高熱のせいでうるうるの瞳。火照った体。
いい香りのする羽恋。愛らしいけどやっぱり男の子。
羽恋はやわらかいけど少し角ばってるってのがよく分かる。
何が言いたいかって?
ごちそうさまです。
でも本当に困る。
「んぅ……」
「羽恋……きついね。保健室、あと少しだから」
「んん……きつぃ。ぁっ、ついのに、さむい……」
澄んだ瞳はゆれてて、少し目尻が濡れてる。
綺麗な宝石を小さく零して、オレの目を完全に奪いゆく。
理性が飛びそうだ。
きっとこんなシーンになったら誰でもおかしくなるよ。
「なおきぃ……」
「うん?」
「早く、治る魔法とか、あればいいのになぁ」
そしてその苦痛の表情から、小さな笑み。
ぐぁっ……!
くらいよりました。