とある隠れ変態の物語
第8章 エンジェルが心配です
羽恋のあごに手を添えて少し上を向かせておでこごっつん。急にごっつんされてびっくりしてるエンジェル。
……ねぇ、どうしてこんなになるまで我慢してたの?
目が虚ろだよ。焦点が定まってないよ?
もちろん熱があるのは顔を見れば一目瞭然だと思ってたけど。それにしたってこれは……。
熱がありますって、
この可愛い上気した頬に書いてあるレベル。
「ねぇ羽恋。どうして言ってくれなかったの?」
「ん、あぁ……ん、む」
「……ごめん、今はそれどころじゃないよね。保健室行こう」
周りからの視線がちくちくして気になるけどこの際そんなこと気にしてられない。
歩くこともままならない羽恋を姫抱き。
「な、おき……」
「うん?」
「迷惑、か、けて……ごめん」
そんなこと、言わないでよ。
迷惑なんかじゃない。
むしろ
「もっと頼って欲しい、かな」
なんだか凄く寂しいよ。