とある隠れ変態の物語
第2章 子猫ちゃんといちゃこら
どうすんのどうすんのと頭で必死に考えて考えて――
「携帯」
「え?」
「携帯見れば分かる」
侑里くん!それ、先に言ってくれる?意 外にあっさり解決しちゃったよ!!残 念、もらえないのか……。
解決したのだから喜ばなければいけない のだろうが、素直に喜べない。
お泊まり会は無しか…………。
「でも外雨凄いから、出来れば泊めて欲 しいです」
「良いよ良いよ。泊まってって?一人よ り二人の方が絶対楽しいし」
よっしゃきたー!!台風万歳万歳。
「尚輝お兄ちゃん、寂しがり?」
「あはは、そうかもしれないなぁ……。 ――っえ?」
照れ笑いを浮かべて顎に指を添えていると、侑里くんが頭をなでなでしてくれ た。
「寂しがりな尚輝お兄ちゃん……一人暮らしだから?」
二人で座るにはいささか狭いソファーだ から距離も吐息も近い。
やばい、楽しい!!
にやにやとしそうになって、必死にそれ を押しとどめる。 無理に我慢したせいで眉を寄せた、少し寂しそうな表情になってしまった。
侑里くんは、その短い沈黙と表情とで問 いを肯定していると思ったらしい。ぎゅうっと抱きしめてくれた。