Hなサッカー部
第8章 マネージャーの仕事
梓「違う、けど……」
あずがきょとんとして否定した
その目に、嘘はなかった
『あ………
あーー!そ、そうだよね!変な事聞いてごめんね!』
やばいやばい、何勘違いしてんの私
自分でも顔が紅潮するのが分かった
みるみるうちにあずの顔に笑みが浮かんでいく
梓「詩ちゃん……
一樹の事好きでしょー!」
『は、はぁ~!!?///』
毎回毎回何言い出すのこの人!!?
好き!?私が、唐橋を!?
『そ、そんなの、ある訳……』
梓「ある!詩ちゃん今恋する乙女の顔だもん!」
『恋する乙女、って……』
好きな訳ないよ、あんな意地悪で強引な奴!
でも、たまに優しくて……
さりげない気遣いが、かっこよくて……
あずの言う通り、私唐橋のコト………
〈私唐橋君に気があるんだ。詩取らないでよ?〉
『!』
花南の言葉が脳裏を遮った
――そうだ、花南は唐橋が好きなんだから。
私が好きになれるわけないんだ…
梓「詩ちゃん?」
『やっぱり私、唐橋好きじゃないよ…』
梓「………そっか」
私の声色の変化に気づいたのか、それ以上あずは何も言わなかった