
D-カノ!
第1章 本田 圭介
「あんた学生さんかい?」
「ええ。高校2年です。」
「部活はなにはいってるんだい?」
「登山部です。」
「そんな部活あるんだねぇ…」
「それだったら、ニンジン部ありますよ。」
「なにするんやい?」
「さぁ?詳しくは知りませんけど、ニンジンを栽培したり調理したり、評論会を開いたりするそうです。部員は、2人なんですよ。」
「すごい部活なんだねぇ…私の頃なんか、…」
なんて会話をしていると、いよいよ目的地に着いた。
「あんた本当にありがとうね。」
「どういたしまして。では。」
にこやかにあいさつして、帰ろうと思い、携帯のマップを見ようと思ったときだった。
プツン…
画面が真っ暗になった。
ぅあ…まじ?
ここら辺コンビニもないし、来た道は覚えてないし。
やべぇ!
今度は俺が迷子かよ!
人もいないし…。
これ以上うごいたら、ますます分からなくなるしな。
人が通ってくれるのを待とう…。
そう思って、待てども待てども人はこない。
辺りもだんだん暗くなってきた。
すると、おばあさんの友人の家から、人が出て来た。
