
D-カノ!
第1章 本田 圭介
その後お風呂を貸してもらって、パジャマも貸してもらった。
夜ご飯のときは、凜ちゃんと一言も話さなかった。
小谷母は、「あの子ったら、照れてるんだわぁ。」
とか、言ってたけどね。
俺は、全然一緒に寝るとかいいんだけど。
4歳も違うわけだし、妹ってかんじだし。
でもやっぱ、女子は気になんのかな?
凜ちゃんの部屋で、明日帰る準備をしながらそんなことを考えていた。
がちゃ…
「あ、凜ちゃん…」
まだ髪の毛が少し濡れている。
「怒ってる…?」
「怒ってる。」
やっぱり…!
「あのさ、確かに俺と同じ部屋で寝るのは嫌だと思うけど、俺はソファーで寝るし、凜ちゃんはベッドで寝ればいい話じゃん?
そんなに怒る事じゃないと思うけどな。」
「…違う。あんたが悪いんじゃないのはわかってるんだけど…」
「何?どうしたの?」
意味不明!
俺が悪くないんなら、何に怒ってんだよ。
「今日ね、夜から彼氏がくるんだぁ。でも、あんたが同じ部屋にいたら、やっぱり気分わるいじゃん?
…だから。」
なるほど。
「ん?部屋にくんの?みんなが寝静まった後ってこと?」
「うん。」
うわ、まじかよ!
どんなんだよ!
まさか皆こんな事してんの?
「今日は、無理って言えば…」
「彼氏の誕生日。でも私は今日家から、出るわけにいかないから。家族全員が集まる日だから。」
「…そっか。彼氏とどれくらいいるの?」
「2時間くらい。最短で。」
「二時間か。…じゃあ、俺このクローゼットの中で寝るってのは…」
「…」
「そんなんだめだよなー」
「ぜ…全然いい!じゃ、それでよろしく!」
ええー!冗談だったのに?
だめだ。俺。
今日でしゃばりすぎてえらい目にあいすぎてる…
