KURO
第2章 それは突然に
「これで嫌でも信じるでしょ?」
機嫌良さげに微笑む。
あ、ありえないから…
「アニメや小説じゃあるまいし…」
「でも、ちゃんと見たでしょ?俺がクロだって」
「……っ」
返す言葉が見つからない。
確かに俺は、この変態が
間違えなくクロになったのを見た。
だが、そんな簡単に
信じれると思うか…?
無理だ。
これは、きっとアレだ。
なんかの悪い夢。
俺は、何事もなかったように
再び、目を閉じる。
よしっ。
早く目を覚まして、本物のクロとあそぼう。
「え~はる、寝ちゃうの?」
拗ねた声が聞こえてくる。
無視。
まぁ、やけにリアルな夢だよなー。
だって、俺の上に、まだ跨がってる
変態野郎の重さを感じるんだぜ?
うー、やだやだ。
「あ、もしかして……
キスのおねだりしているの?」
『可愛いな、はるは』
と聞こえた瞬間、
「……んっ!?」
唇に、またも生温かい感触が。
一気に、ガッと
目が見開く。
「…好きだよ、はる」
こ、これは、
夢なんかじゃない。
現実だーーー!!
自覚したら、
奴の接吻の嵐が降ってきた。
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