KURO
第2章 それは突然に
「んで、お前は俺にこんなことをする!?」
長いキスのあと、息を整え、
叫んだ。
男同士でキスとか
マジ無理…。
「はるが可愛くキスのおねだりしてたから」
「なわけあるか!!」
ピシャリと俺の怒鳴り声が
部屋中に響く。
俺が、いつキスのおねだりをした!?
ただ目を閉じてただけだろ!
こいつ、相当
頭おかしいな…。
「はる、もう一回キスしてもいい?」
そう言って、
俺の顔に近づいてくる。
「やめろ。ざけんな。その前に俺の上から退いてくれ」
これ以上、この変態に関わっていたら
危険だ。
「はるのケチー」
口を尖らせながらも、
しぶしぶ退いてくれた。
…が。
「おい、何をしている」
俺は、眉間にシワを寄せる。
「え?何って…両手を縛ってあげてるんだよ♪」
変態は、笑顔で恐ろしいことを
口にする。
「い、一体…何がしたい」
なぜか、俺の両手を近くにあった
猫用のリードでキツく縛っていた。
しかも、ニコニコと鼻歌を歌いながら。
やっと、素直に退いてくれたと
思ったのに
なんなんだ、これは!?
「こうでもしないと…はる逃げちゃうし」
『それに警察とかに通報されたら困るしね♪』
と、後から付け足しやがった。
「……」
一方、俺は
図星つかれて体が固まってしまった。
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