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KURO

第2章 それは突然に







「それに今日、お母さんとお父さん旅行でしょ?」


何食わぬ顔で聞いてくる。

は…?





「お、お前…なんで知って…」


確かに、結婚記念日で二人は旅行に行っている。






「だって、昨日はるが言ってくれたじゃんかー」


忘れちゃったの?と拗ねた顔をして

俺の髪の毛をいじりだす。






あれは

猫のクロに言ったものだ。



なぜお前が

そんな家庭の内容まで知っている?



…怖くなってきた。





あと、髪いじるのやめろ。






「とっても嬉しかったよ。俺がいるから寂しくないって。なに?可愛すぎでしょ。それにそれを可愛い顔して言われちゃったらもう勃起しまくりだよ」




「………」


もう、変態に

なんて言葉を返せやら…。





「俺の嫁に来いって言われたけど、どう見てもはるが俺の嫁にきなよ」




「………」



どう見たらそうなった。



嫁に来い…確かに俺、

クロに言った。


けど、お前に言った覚えはねぇ。







ふざけんじゃねーぞ。



まあ、落ち着け。

ここは啖呵を切っていけない。










「なぁ…とりあえず、服着てからゆっくり話そ?」



冷静に出た言葉がそれだった。






「あ、続きはあとって言うことだね」



『焦らしプレイかぁ…わかった!!』と言って

ひとまず退いてくれた。






…が。





「リ、リードは外してくれないんだ…」




「あったり前じゃーん。あ、別にはるを信じていないわけじゃないんだよ?一応、念のためにね、念のため」



「は、はぁ…」





こればかりは、どうしても

きいてくれないみたいだ。









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