KURO
第2章 それは突然に
もうこうなったら…
信じるフリをしないといけないな。
よしっ。
「あー、もうギブ。わかった。お前がクロだって信じる」
こう言えば大丈夫だろ。
すると、嬉しそうに
ぱああと表情が明るくなった。
「ほんと!?はる、大好きだ!!」
「うッ」
スリスリと抱きついてきた。
もういろいろ耐えられない。
なんの拷問だよ、とツッコミたくなる。
限界だ。
だって、知らない男…
しかも全裸で襲いかかってくるんだ。
俺の頭はどうにかなりそうなくらいやばい。
「なぁ…クロ。これ、外してくれない?」
とりあえず、このリードを取ってもらわなくては
先に進めない。
「だーめ。それはきけないお願いだな~」
うそ、だろ。
おい。
「なんで」
「拘束プレイとか一度やってみたかったんだ~」
「……」
…ん?
お前、本当にクロかよ!?
ますます、
怪しくなってきた。