KURO
第2章 それは突然に
よくわからん。
「よし、とりあえずお前帰れ」
俺は、気を取り戻して
顎でドアの方に行けと合図する。
これ以上、コイツといると考えすぎて頭がパンクしそう。
それにプラス頭が悪くなる。
「え~帰れって言われてもここが家だし困るな~」
「は?」
コ コ は 俺 の 家 だ 。
いちいち語尾を伸ばすな、腹立つ。
「だから、早くエッチしよ?」
俺の耳元にそっと囁く。
鼓膜まで犯す気かよ!?
「おまっ、よくもうまぁ…そんなことを…」
堂々と言えるよな…。
「あれ?はる、顔真っ赤。もしかして、こうゆうのなれない?」
可愛い、と言ってクスッと笑う。
「お、お前!!俺をバカにしてんのか!?」
くそっ。
挙げ句の果てにはバカにされる始末かよ。
俺は手に力を入れて拳を作る。
殴りてぇ。
けど、できない状況。
この手に巻き付けられているリードのせいだ。
使い方が間違っている。