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恋愛性条件

第1章 恋愛取引

うん、そんな表情がかえって来ると思ったよ。

「まぁ、こいつ死んでみたいな顔すんなよ。応援してやるんだから」
俺は、彼女を真っ直ぐ見る。

しばらくして返事がかえってきた。

「・・応援なんて僕は嫌いだ。しなくて良い。‥‥自分の力で叶えてみせたい」

願うように、苦しむように、最後の言葉を呟く。でもどこか諦めが入ったような瞳で俺を見る。
俺は悟った。多分‥彼女はフラれる覚悟で告白しようとしていたんだろうと。

「じゃあ、俺の言葉に返す返事を考えていたあの間はなんだ?応援のことを考えていたんじゃないのか?本当に応援されたくないのか?」

彼女は震えた。その小さいからだで大きな思いを痛いほど抱えながら。

小さく小さく小さく、

「僕だって、応援されたくない訳じゃない。でも、応援されると期待されるだろう?それが・・・・・・辛いんだよ・・・とっても・・・」

小さく呟いた。震えた声で、にぎりしめられている手。

ぐらりと心に響いた。

「俺、期待とかのせないからさ、暇だからお前を応援してやんだよ。告白するのは俺の応援が充分にととのってからにしろ。そんなに思い詰めなくて良いからさ♪気軽に行こうぜ?応援されるよな?」


・・・彼女は少し考え・・・・

「あぁ、宜しく」
コクンとうなずいた。


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