テキストサイズ

にゃんと喘いでくれるよね

第11章 猫と迷子






駅から学校はめちゃくちゃ遠い。




向かっている間

たわいのない会話をしたが

全く耳に入ってこない。











「柳井くん

柳井くーん! 


見て見てー!」






僕は白石が

しゃがんでいる所に

少しかがんで覗き込む。







「あ…!」







「猫ー!!」







白石が

抱きかかえて僕に見せたのは




ボロボロな子猫だった。







「…猫じゃん」







「うん!



かっわいー!」







キャッキャッっと喜ぶ

白石を横目に



僕は喜べないでいた。








「…ん?




柳井くん…どうかしたの…?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ