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無防備に恋をした僕ら

第1章 僕はひどく欲張りで


逸留は、俺の憧れだった。
要領が良くて、何でも起用にこなせて、頼り甲斐もあって。
それらは俺に当てはまらない、つまり俺と逸留は正反対。

俺は感情を表すことが苦手で、よく無愛想だとか無関心な人とか言われてきた。要領が悪いからか、勉強も中の下。

でもそれでよかった。
逸留が友達でいてくれるなら、それでよかった。
こんな俺でも、「凛は凛らしくいてくれればいい」と言ってくれた。

たったひとり、俺をわかってくれる友達。

それでよかったんだ。
それで、よかった。

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