
無防備に恋をした僕ら
第1章 僕はひどく欲張りで
「凛、もう暗いけどどうする?泊まってく?」
「それは悪いよ」
「一応、明日まで親帰ってこないんだけど。制服もまだ乾かないよ?」
ここで、泊まってしまったら駄目な気がする。
ひとりになって冷静になる必要がありそうだ…。
「いや…帰るよ。下は何か貸してくれれば、助かる」
「そ?じゃ、明日の朝制服は取りにこいよ。」
とりあえず逸留の服を借りて、部屋をあとにした。
ひとりでゆっくり道を歩きながら、沸騰していた熱がだんだん冷めていくような感覚にとらわれた。
「俺…っ」
