
無防備に恋をした僕ら
第3章 最後の言葉にさよなら
えっと……俺、抱きしめられてる…?
「……いち、」
「俺がどんだけこうしたかったかわかる…?」
絞り出すような、小さな声でつぶやかれる。心臓が、跳ねた。痛いくらいの“好き”が、伝わってくる。
「逸留……ありがとう、俺を好きでいてくれて」
「好きだよ。大好き」
「…俺も、逸留に伝わるように頑張るから、」
「……うん、ゆっくりでいいよ、」
俺が、自分に問いたださなくてもわかるように。言葉なんか使わなくても、ちゃんと伝わるように。
俺も、君に好きをおくるから。
