
無防備に恋をした僕ら
第3章 最後の言葉にさよなら
「逸留……あの、俺さ、あの日からずっと逸留のことしか考えられなくて……でもいざ逸留を見ると、なんか気まずくて避けちゃって……」
こうしてる今も、逸留の顔まともに見れない。
逸留が今どんな顔でいるのか、それを考えると……見れない。
「避けて、ごめん……でも逸留のことを嫌いになったわけじゃなくて、その……っ」
「…?」
ようやく、逸留の顔を見上げた。
「たぶん……俺も、逸留の恋人になりたいんだと思う……」
言った。言ってしまった。
今度こそもう、逸留を直視できない。
拳を強く握りしめて、ただただ下を向いた。
「凛、」
「え、…っ!」
