
無防備に恋をした僕ら
第1章 僕はひどく欲張りで
逸留の足が、するすると地面をかすめるように動く。
気づけばすぐ後ろにはベッド。俺はそこに、やさしく押し倒される。
目の前に、逸留の整った顔と、その背景は天井。
そんな状況に俺はひどく緊張してしまって。それが見透かされたのか、逸留は俺の頬をやさしく撫でた。
「…凛、ごめん、好きだよ」
「いち…る、」
わからない。友達のはずの俺に、男の俺に、好きだと言ってキスをする逸留も、それを拒まない俺も。
……わからない。
逸留が、俺のネクタイに手をかける。起用にするする外されて、次にシャツのボタンをゆっくり外されていく。
どうしたら、いいんだろう。俺は。
「…っ逸留、」
首筋、鎖骨、とだんだん下にさがっていく生温かい舌。こわい、と思った。
すごく痛い注射をされる前みたいな、恐怖。
