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第2章 土曜日
「っおい!!…お前、永井じゃないか?」
基樹が辺りを警戒して歩いていると、基樹の背後から
明らかに中学生の声ではない、低いトーンのそれが聞こえて来た。
恐らく、教師の声だろう。
――…なんとなく、まずい気がする…
直感的にそう感じた基樹は、飛び抜けた足の速さで
その教師をまいた。
そして今、基樹は誰か分からない銅像のおかげで見つけられていない。
…銅像とその後ろにある大量のススキで、基樹の場所は通路から見て死角になり、
ちょうど基樹を隠していたのであった。
「永井…いるんだろ?」
遠くではあるが、相当大きな声なのか、
こっちまで聞こえて来ている。
先程は直感的に逃げてしまったが、今冷静に考えれば単純なことだった。
――奴は“殺人鬼”なのだ。
恐らく、Sからその役割を命じられているのだろう。
これも推測だが…
――恐らく、Sから大金を貰って。
教師は、半ば強制的にやらされているのだろう。
マインドコントロールされているのだろう。
悪く言えば、
…洗脳されているのだろう。
